カテゴリー「映画・テレビ」の2件の記事

2011年12月10日 (土)

映画「招かれざる客」、そしてサム・クック(Sam Cooke)

先日TVで映画「招かれざる客」(1967)が放映されていた。何度も観た映画ではあったが途中から観ることにした。

 白人の娘ジョーイは、ハワイで黒人の医師ジョン(シドニー・ポワチエ)と恋に落ち、結婚を誓い合う。二人は結婚の報告の為サンフランシスコにあるジョーイの家に向かう。ジョンはジュネーヴの大学院から招かれており、今夜発たなければならない。ジョーイを一緒に連れて行きたいのだ。
 娘の婚約者が黒人である事を知ったジョーイの母クリスティ(キャサリン・ヘップバーン)は、初め驚き戸惑ったが、娘の幸せそうな姿を見て二人を祝福する。
 しかし、ジョーイの父マット(スペンサー・トレイシー)は違かった。マットは新聞社の社長であり、人種差別とも闘ってきたつもりだったが、自分の娘ともなれば話は別だ。友人の神父の説得にも耳を貸さない。
 ジョンの両親も息子に呼ばれ、飛行機でサンフランシスコに着いた。そこで初めて息子の婚約者が白人である事を知り驚く。ジョンの母は二人の愛し合う姿を見て結婚に賛成するが、ジョンの父は反対だ。
 ジョンの母がマットにこう言う。「あなたも主人も二人が求めあっている姿を見ようとせずに悪い面ばかり見ている。男性は年をとると昔の情熱を忘れてしまう。覚えていても遠い昔の事と知らん顔。男の燃えカスだ。」と
 一人になりマットは考えた。そして皆を集めてこう言う。「私は燃えカスと言われたが、妻に対する情熱を忘れてはいないし、死ぬまで忘れはしない。多くの人々が二人に対して反感と嫌悪を示すだろう。君たちは人種の壁を越えて愛し合った素晴らしい人間だ。誰が何と言おうと、君たちが愛と信頼を失わない限り堂々とこの結婚を貫け。」と。


この日は12月8日、ジョン・レノンの命日であったが、私は12月11日に無念の死を遂げたサム・クックの事を思った。彼が“A Change Is Gonna Come”と願った世界は実現したのだろうか?


Lyrics | Sam Cooke lyrics - A Change Is Gonna Come lyrics

この曲をカバーしたオーティス・レディングが亡くなったのは今日12月10日。

12月に亡くなった3人の偉大なミュージシャンに黙とう。

  

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2011年10月20日 (木)

映画「ジョアンナ」のDVDをついに手に入れた

長年探していた物が見つかった時は本当に嬉しい。この映画がそうだ。

公開されたのは1968年。なぜこの映画を観たかと言えば、スコット・ウォーカーの歌う「When Joanna Loved Me」(ジョアンナが恋した時)が挿入歌として使われていたからだ。

その後しばらくリバイバル上映される事も無かったのだが、25年経った1993年、東京・シブヤ西武のシードホールにてリバイバル上映された。

上映期間 8月19日~9月15日
上映時間 10:50 13:00 15:10 17:20 19:30

その時のプログラムがこれだ。LPレコードのジャケット風のカバー(左)の中に表紙を入れて全24ページにわたる解説書(右)が入っている。下はチラシ。
Joanna_jacket_s  Joanna_linernotes_s_2 Joanna_flyer_s_4  

その解説書には、マイケル・サーン監督へのインタビュー、雑誌「オリーブ」のスタイリストによるファッション解説、映画のロケ地マップ等が載っている。

目次
02 Introduction by MICHAEL SARNE
04 Welcome back to Japan again, Joanna. 1968-1993
06 Actors
08 Interview with MICHAEL SARNE
12 Special Pin-up
14 All About Joanna's Fashion
17 ROD McKUEN Season in the sun with JOANNA
19 A GUIDE TO SWINGING ‘JOANNA’
20 “Talking Sixties” MICHAEL S. LAUGHLIN & MICHAEL CHOW
    How to cook ‘Chicken JOANNA’
22 CREDIT & SYNOPSIS

All About Joanna's Fashion のページがこれ
Joanna_fashion_s

ストーリーは、美術学校に入学が決まりロンドンにやってきたジョアンナが、様々な人々と出会い色々な経験をしていく(よくわからない?そう、色々あり過ぎて一言では説明できないんです)というもの。この映画の魅力はストーリーよりもファッションにある。

映画は、ロンドンのパディントン・ステーションの構内の様子を映し出す場面から始まる。この場面はモノクロだ。そこへジョアンナの乗った列車が到着する。そして彼女がホームに降り立つと同時に映像はカラーに変わる。そう、ジョアンナの登場で場面が一気に明るくなるのだ。

この時のジョアンナの服装は、赤いパンタロンに白のエナメルのブルゾン、背中には赤で“JOANNA”の文字。帽子も白のキャスケット。トランクは赤だ。
Joanna_scene_01Joanna_scene_02

半同棲中の“イカしたスポーツ・カーの彼”の家で、彼が別の女性と一緒に居るところを目撃するシーンがあるのだが、その時彼が腰に巻いているタオル はグリーン、そして傷ついたジョアンナが荷物をまとめて出ていく時の彼女の服もグリーン、アイシャドウもグリーンだ。また、男性とベッドを共にしていると ころを、訪ねてきた妻子に見られてしまうシーンがあるが、その小さい女の子はグリーンのコートを着ている。
そう、登場人物の心境がすべて色で表現されているのだ。そんなところに注目しながら観るのも面白い。

「When Joanna Loved Me」(ジョアンナが恋した時)が流れるシーンがこれ。


次はスコットの歌う “Man From Reno” が使われているイザベル・アジャーニ「可愛いだけじゃダメかしら」(TOXIC AFFAIR)のDVD化に期待したいところ。
Toxic_affair_s

もう一つおまけに「キッスは殺しのサイン」は?


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