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2012年5月 3日 (木)

ウォーカー・ブラザーズ~The Walker Brothers Classics-Part1 「Take It Easy With The Walker Brothers」

ウォーカー・ブラザーズにはカバー曲が多いのですが、そのオリジナルについてはライナー・ノーツにもほとんど書かれていません。書かれているのは誰もが知っている有名曲ばかり。そこですべてを調べてみる事にしました。ここでは、1998年に出されたリイシュー・アルバム(オリジナル・アルバムに、シングル曲やEP盤としてリリースされた曲をボーナス曲として加えたもの)に沿ってカバー曲のオリジナルを探ってみます(あくまでオリジナルを探すのが目的なので、カバー曲以外については触れません)。

Take It Easy With The Walker Brothers
Takeiteasy1

01.Make It Easy On Yourself(Burt Bacharach/Hal David)
01.涙でさようなら
Jerry Butler(ジェリー・バトラー):1962年8月全米20位。R & Bチャート18位。
ジェリー・バトラーはインプレッションズの初代リード・ヴォーカル。少年時代からカーティス・メイフィールドと共に聖歌隊で歌っていましたが、1958年にThe Impressions(インプレッシヨンズ)としてヴィー・ジェイ・レコードよりデビューします。そして“For Your precious Love”が全米11位を記録する大ヒットとなりますが翌1959年にソロとして独立します。ヴィー・ジェイ・レコードのA & Rマンがジェリー・バトラの為にニュー・ヨークの出版社から持ってきたのがこの曲で、そのデモテープを歌っていたのはディオンヌ・ワーウィックだったそうです。その彼女のバージョンは1970年に37位を記録しています。

 

02.There Goes My Baby(Benjamin Nelson/Lover Patterson/George Treadwell/Jerry Leiber/Mike Stoller
02.ゼア・ゴーズ・マイ・ベイビー
The Drifters(ドリフターズ):1959年POPチャート2位、R & Bチャート1位。
作者のBenjamin Nelsonはベン・E・キングの本名、Lover Pattersonはドリフターズのマネージャーです。もちろんリード・ヴォーカルはベン・E・キング

03.First Love Never Dies(Bob Morris/Jimmy Seals)
03.初恋は死なず
Jerry Fuller(ジェリー・フラー):1961年
尚、ジェリー・フラーはソングライター(この曲は彼の作ではない)でもあり、リッキー・ネルソンの“トラベリング・マン”や“ヤング・ワールド”は彼の作品です。


04.Dancing In The Street(Marvin Gaye, William "Micky " Stevenson, Ivy Jo Hunter)
04.ダンシング・イン・ザ・ストリート
Martha & The Vandellas(マーザとバンデラス):1964年2位

05.Lonly Winds(Doc Pomus/Mort Shuman)
05.ロンリー・ウィンズ
The Drifters(ドリフターズ):1960年POPチャート54位、R & Bチャート4位。
“ラストダンスは私に”の作者ドク・ポーマス&モート・シューマンの作品。
これもリード・ヴォーカルはベン・E・キング

06.The Girl I Lost inThe Rain(David Gates)
06.雨に消えた少女
C.J.Russell:1963年
最近まで、デヴィッド・ゲイツの作である事以外分からなかったのですが、ついに最初のレコーディングと思われるものを見つけました。レオン・ラッセルがC.J.Russell名義で1963年にリリースしたという音源です。

07.Land Of 1,000 Dances(Chris Kenner)
07.ダンス天国
クリス・ケナーが自ら作曲し1962年にリリース。
しかし有名な“Na Na Na Na Na~”(ウォーカーズはLa La La La La~)というフレーズはクリス・ケナーのオリジナルには無く、1965年にカバーしたCannibal and the Headhunters(カンニバル&ザ・ヘッドハンターズ)のリード・シンガーが、歌いだしの歌詞を忘れた事により偶然生まれたものだそうです。ウィルソン・ピケットのカバーが一番有名ですが、今回はこのCannibal and the Headhuntersのバージョンをご紹介。ウォーカーズはこれをお手本にしているのかも知れません。

     

08.You're All Around Me(Scott Engel/Lesley Duncan)
08.君はいつも僕の傍らに

09.Love Minus Zero(Bob Dylan)
09.ラブ・マイナス・ゼロ
Bob Dylan(ボブ・ディラン):1965年“Bringing It All Back Home”収録

10.I Don't Want To Hear It Any More(Randy Newman)
10.もう聞きたくない
Jerry Butler(ジェリー・バトラー):1964年95位
P.J .Proby(P.J .プロビー):1965
これもジェリー・バトラーのカバーです。ウォーカーズが“He Wil l Breake Your Heart”を歌っている動画がYouTubeにアップされていますが、これもジェリー・バトラー1960年全米7位のヒット曲です。しかし、ゲイリー・ウォーカーはP.J .プロビーのバックをしていた事もあるらしいので、こちらを参考にしているのかも知れませんね。

11.Here Comes The Night(Doc Pomus/Mort Shuman)
11.夜がやってくる
Ben E King(ベン・E・キング):1961年81位
これもドク・ポーマス&モート・シューマンの作品。ベン・E・キング“Young Boy Blues”(66位)のB面として発表されています。

12.Tell The Truth(Lowman "Pete" Pauling)
12.テル・ザ・トゥルース
The "5" Royales(ファイブ・ロイヤルズ):1958年
作者はグループのギタリストLowman "Pete" Paulingです。

聴いてお分かりの通り、ウォーカーズバージョンはオリジナルとはかなり違います。どうやら、アイク&ティナ・ターナーのバージョンがお手本のようです。

 

【Bonus Tracks】
13.Love Her(Barry Mann/Cynthia Weil)1965 A-Side
15.ラブ・ハー
The Everly Brothers(エヴァリー・ブラザース):1963 B-Side of "The Girl Sang the Blues"

14.The Seventy Dawn (Riz Ortolani) B-Side of "Love Her"
14.七日目の夜明け
The Lettermen(レターメン):1964年米映画「第七の暁」 (主演ウィリアム・ホールデン)主題歌

15.But I Do(Robert Guidry/Paul Gayten)B-Side of "Make It Easy On Yourself"
15.バット・アイ・ドゥー
Clarence "Frogman" Henry(クラレンス・フロッグマン・ヘンリー):1961年4位。原題は(I Don't Know Why) But I Do
映画「フォレスト・ガンプ」(1994)、「恋するための3つのルールMickey Blue Eyes」(1999)の挿入歌としても使われています。

 

16.My Ship Is Coming In(Joey Brooks)1965 A-Side
16.僕の船が入ってくる
Jimmy Radcliffe(ジミー・ラドクリフ):1965年

MP3です

17.Looking For Me(Randy Newman)from 1966 EP:“I Need You”
17.ルッキング・フォー・ミー
Vic Dana(ヴィック・ダナ):1962年
この記事を書き始めた時点ではYouYubeにヴィック・ダナの音源が見つからなかったので、自分でアップしました。

1963年にはjohnny wadeがカバーしています。

ヴィック・ダナの歌はこちらに収録

18.Young Man Cried(Scott Engel/John Franz)from 1966 EP:“I Need You”
18.ヤング・マン・クライド

19.Everything's Gonna Be all Right(Willie Mitchell)from 1966 EP:“I Need You”
19.すべてOK
Willie Mitchell:1965年?

20.I Need You(Gerry Goffin/Carol King)from 1966 EP:“I Need You”
20.アイ・ニード・ユー
The Royal Knights:1966年

次回はセカンド・アルバム「portrait」、音源が揃い次第のアップ。

※2016年1月12日、加筆・修正を行いました。

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コメント

素晴らしいリサーチですね。ありがとうございます
ウォーカーズは確かにカバー曲ばかりを歌っていましたが、アレンジがすばらしく、”ルッキング・フォー・ミー”や”もう聞きたくない”などはウォーカーズ無くしてはあり得ないと感じいたしますが、逆に”ロンリー・ウィンズ”はオリジナルのドリフターズの方が断然いい。
こうしてオリジナルと聞き比べるのも楽しいですね。

そうそう、”バット・アイ・ドウ”はオリジナル版は女性コーラスによるものだとばかり思ってました。('0′)

投稿: swallow | 2012年5月 7日 (月) 22時31分

swallowさん、ありがとうございます。確かに、ウォーカーズは選曲とアレンジが良いと思います。でもこうしてルーツ辿る事で、彼らの良さを再認識してもらえれば幸いです。

投稿: addsomemusic | 2012年5月 7日 (月) 23時21分

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